今回は、現役WEBディレクターの私が、普段どんな提案、プレゼンをしているかお伝えしていこうと思います。
過去には省庁案件や、5,000万円規模のECサイトも受注してきたので、ある程度の信頼していただければ幸いです。
WEBディレクターの提案、プレゼンとは
一言でいうと、クライアントの要望に対して、「私たちにシステム開発・導入を任せてもらえれば、御社の要望を叶えられます。」と伝えることです。
クライアントの抱える課題や悩みを汲み取り、どんなコンテンツを掲載して、どんなシステムを構築して、どんなサービスと連携をして、サーバーの構成はこうしますといった具合に、プレゼン提案をしていきます。
WEB制作の現場では、コンペ形式が多く、競合社数は2~5社が一般的です。
提案前の見積の段階で2社まで絞るといった企業も多いです。
ポイント1:プレゼンは慣れたツールで行う
プレゼンは、自分が使いやすい、慣れたツールで実施してください。当たり前かと思いますが、慣れはかなり重要な要素です。
スライドのめくり方やポインターの利用などでもたつくと、テンポが悪くなってグダグダになりがちです。プレゼンの中身がよくてもそれだけで落選することも全然あります。
私は、GoogleスライドかPowerPointで作った提案書をクライアントに説明しながら進めています。それにプラスして、XDでワイヤーフレームを作成していました。
クライアントにスムーズに内容が伝わればいいので、会社で決まり等がなければ、好きなツールを使ってください。重要なのは、慣れているかどうかです。
プレゼンで使うツールが決まったら、ツールの利用方法をマスターすることに注力しましょう。
必ず、財産になります。
ポイント2:プレゼンで考えること
プレゼンを受ける立場になって考えることが重要です。これも当たり前ですが、プレゼンの準備に精一杯になってしまうと、自分本位のプレゼンになってしまい、聞き手を置いてけぼりにしてしまいます。
プレゼンの前に、誰が決済者なのか、誰が稟議を申請するのかを把握するのが重要です。
聞き手によってプレゼンは変えます。
決裁者向けのプレゼンなら、予算とマネタイズは外せません。コストと利益はかなり深く見られます。業務効率化できますだけでは通用しません。業務効率化したうえで、これだけのメリットを与えられるといったところまで詰めます。
稟議者向けのプレゼンなら、上司にどうやって伝えるかを一緒に考えるようなプレゼンが刺さります。あなたのプレゼン資料をそのまま稟議にだせる資料にしてあげると、かなり高い評価を得られます。
プレゼンの流れ
プレゼンの流れを大きく分けると、
- 会社紹介
- リニューアルであれば、課題、改善案
- 新規構築であれば、作る目的 何を目指すか
- デザイン案をつくっていればデザインの説明(デザイナーにコンセプトを聞いておく)
- 運用デモンストレーション
- 制作スケジュール
- 制作体制
- 実績
順番はずれたりしますが、説明項目としては上記の通りです。
1回のプレゼンには1時間程度かかります。案件によっては2時間かかることもあれば、15分しかないこともあります。時間に合わせて配分は事前に整理しておきましょう。
それでは1つずつ説明していきます。
会社紹介
文字通り、自社の所在地、従業員規模、業種構成、沿革、特徴などを説明します。事前の打ち合わせで説明していたら省略します。
課題、改善案 リニューアルの場合
いま運用しているWEBサイトのリニューアル案件の場合は、事前にヒアリングした課題を洗い出して、改善案を提案します。
例えば、お客様からのお問い合わせを増やしたいといった場合は、UI(ユーザーインターフェース)に問題があるので、よりお客様がお問い合わせをしたくなるようなデザインに変更しましょうといった具合でお話しします。ワイヤーフレームまで用意できるとGood。
お金の話もここでします。
課題、改善案 新規構築の場合
新規構築であれば、なにを目的として構築するのかを提案します。
新しく作るWEBアプリやシステムを作ることで、なにを実現できるのか提案します。
例:
いまは顧客管理をExcelでやってるが、より簡単で誰でも管理できるようなシステムに入れ替えたい。
上の例の場合で説明します。
システムを入れ替える時に、既存のExcelに入った顧客データを新しいシステムに移行したいといった場合、社員だけがログインできる顧客管理WEBアプリケーションを開発し、CSV(まとまったデータを一気に投入したり、抽出できるやつ)をつかって今までのデータは一括で投入しましょうといった提案をします。
仕様面や利便性だけでなく、セキュリティを意識した話もすると信頼を得やすいです。
また、IP制限やVPNでの制限を導入するしない等、サーバの構成を話せるといいですね。
上記の例みたいな要件なら簡単ですが、 要望が多かったり、規模が大きかったりすると提案に時間をかける必要があります。
お金の話もここでします。
デザインの提案
提案によっては、デザインが必須の場合もあるので、その場合はあらかじめデザイナーにお願いしておきます。それを提案書にはめ込んで説明します。
その際、デザイナーにデザインするうえで意識したことを確認し、クライアントに対してデザインポリシーを説明できるようにしとくと、提案に説得力が増します。
デザインポリシーを説明できないと、デザインの根拠が説明できないので、かなりマイナスです。
デザインではなく、私のようなWEBディレクターがつくったXD(デザインツール)で説明することも多いです。
運用デモンストレーション
実際のPC画面を共有しながら使い方を説明します。
デモサイトを使って、クライアントの運用イメージを画面で見せてあげることが重要です。
制作スケジュール
自社内で調整したスケジュールを提案します。
制作体制
WEBディレクターは1人、デザイナーは1人、開発は2人みたいにそれぞれのポジションにつく人数と相関図を伝えます。
クライアントによっては、各ポジションメンバーの経歴を聞かれたりします。
実績
いままでの会社、個人での制作実績を紹介します。プレゼンする会社に併せて、紹介する実績は変えてください。
あとは質疑応答で、クライアントからの質問に答えてプレゼン終了です。
プレゼンが終われば、一段落ですね。あとは、クライアントからの合否の連絡を待つだけです。
おわり
今回は、WEBディレクターが行うプレゼンについて、ご説明していきました。プレゼンの技術もクライアントからの信用度に大きく関わってくるので、自分なりのやり方を確立して、常にリラックスして望めるといいですね。
以上、また次の記事でお会いしましょう。