現役WEBディレクターの実例解説!WEBサイト制作の要件定義について

実務・スキル

今回は、現役WEBディレクターの要件定義について、実務に沿いながらお伝えしていこうと思います。

この記事の内容については、あくまで私の場合なので、他のWEBディレクターさんだと別の要件定義のやり方があるかとは思いますが、参考のひとつとしてお楽しみください!

これからWEBディレクターを目指したいけど、WEBディレクターって何してるの?って疑問がある方も、要件定義って言葉は聞いたことあるけど、実際になにをするのか不安な方は是非見ていってください。

これから制作会社に案件を依頼したいという方も参考になるかと思います。

要件定義とは【営業兼WEBディレクター、ウォーターフォールの場合】

まず初めに、要件定義について確認です。

私はウォーターフォールでの開発しか経験がないので、ウォーターフォールの場合としてお聞きくださいね。

ここでは、詳しく説明しませんが、開発手法にはウォーターフォール開発アジャイル開発ってのがあって、ウォーターフォールは水の流れる様、つまり、あと戻りはできない(仕様を後から直したりするのが大変)ので、都度仕様をばっちり固めながら進める開発です。

アジャイルは、プロトタイプ(試作品)を作って、クライアントにこれで進めていいですか?って逐一確認しながら進める開発手法です。クライアントからのフィードバックを都度受けて軌道修正ができるのがメリットです。

最近は、アジャイルが主流みたいですね~。

では、私なりの要件定義の説明です。

要件定義とは、WEBサイト、ソフトウェア、システム開発の上流工程にあたります。デザインレイアウトやシステム仕様の確定などをおこなうフェーズです。

私の場合、開発におけるフェーズ分けの認識としては、

  • 要件定義フェーズ(デザイン、設計、コーディング)
  • 開発フェーズ(PHP等を用いたバックエンド開発)
  • テスト
  • データ投入
  • 納品
  • クライアントテスト
  • リリース

といった具合に進めていくことが多いです。
これは会社や個人によって違うかもしれません。

要件定義とは、「WEBサイトやシステムをつくる上で、クライアントが作りたいものの仕様を決めること」だと覚えておけば大丈夫です!

実際、要件定義ってどんなことするの?

要件定義は、WEBディレクターとクライアントの制作担当者との間での会議で、対面で行われることが多いです。

大体の期間を大まかに分けると、

小規模案件(3~4か月で完成の規模)だと週に1回、2~3時間くらいの会議を4回くらい目安

大規模(6か月以上で完成)だと週に1回、3~4時間くらいの会議を5~12回くらい目安

※Wordpressで作るかなり小規模な案件の場合、要件定義自体省略して、メールでやり取りすることもあります。

会社によって全然ちがうかもしれませんが、私の場合はこんな感じ!

クライアントが遠方だったり、昨今のような緊急事態の場合は、WEB打ち合わせでの要件定義で完結することもあります。WEBだと後から勘違いとかあったりで問題がでそうで怖いですけどね。

私の場合、自分で営業もやってるので、営業してるときに聞いた話とクライアントのやりたい事が本当に合致しているかをもう一度確認します。
ここで齟齬がある場合もあるし、お話を進めるうえで、やっぱりこの機能いらないな〜とか、あの機能は搭載したいみたいな話は必ず出てくるので、その際は、全ての仕様を確定させたのち、お見積もり(フィット&ギャップ)を提出して金額及び仕様を確定させます。

※見積もりの見方はこちら

要件定義の際、設計書を作成するので、SE(設計)にも同行してもらうことが多いです。

簡単な仕様の場合は、WEBディレクター側でまとめて後からSEに共有しても問題ないのですが、ある程度複雑な仕様が入る場合は、SEに直接話を聞いてもらう方が安全です。

WEBディレクターだけで張り切って頑張ってもできないことはあります。
クライアントに迷惑をかける前に、技術者に協力をお願いしましょう。

設計が固まった段階で、開発に移行します。

設計は開発が入った時点で仕様が確定になるので、以降の変更は”仕様変更”となるので、注意!

細部までちゃんと確認しておきましょう!

ここからは、架空のプロジェクトを例に解説していきます。

仮プロジェクトを参考に、要件定義について解説

プロジェクト内容 → 自社店舗ごとの製品紹介ポータルサイトをCMSを組み込んで構築する。 

・ブログ、店舗管理システム搭載

・動画で商品を売り込みたい

・店舗がCMSからログインし、店舗情報を更新できる仕組み

上のようなプロジェクトの場合、
要件定義では、こんなことを確認します。

  • スケジュールの再確認
    営業の時に聞いてたスケジュールにはまるのか確認します。難しいようであれば、フェーズを切り分けて提案します。開発をフェーズ1、フェーズ2に切り分けて完成を目指す提案もあります。
  • 製品のカテゴリ数、商品数を確認
    カテゴリと商品の紐づけを設計に反映させるので、確認します。
  • データ投入の方法(CSV有無)
    製品点数が膨大だと、人の手でひとつひとつ情報を投入することができないこともありますので、CSVインポートするための項目だったりを決めていきます。
  • デザインレイアウト
    私の場合は、テンプレートを使わないで、デザインを1から制作していくので一番時間がかかる部分かもしれないです。
    あとは、CMSから新しくコンテンツを追加したら、WEBサイトにはこんな風に反映させましょうみたいなことを決めていきます。
  • 動画配信の方法
    自社サーバーに大量の動画データをもつのはおススメしないので、YoutubeやVimeんみたいな動画配信サービスとの連携を提案します。
  • 店舗管理のやり方(どこまで店舗側で更新させるか)
    店舗の権限をどこまで制御するかを決めます。A店舗はB店舗の内容を更新できないようにするみたいなことです。
  • ブログや店舗管理する際の項目決め
    管理画面から、どんな項目を入力、必須項目にするかを決めます。
  • お問い合わせフォームの数、お問い合わせデータのDB管理
    お客様からの問い合わせデータはDBで保持する必要があるか、確認メールの配信先(cc,bcc)などの確認です。
  • サーバーについて
    やりたいことに合わせて、サーバーのスペックを確認をします。サーバーベンダーに見積もりを依頼して、クライアントに提出します。
  • 追加、排除機能の確認
    話し合いで追加になった機能と、排除になった機能を両者で確認します。

これくらいの内容だと2〜3時間くらいの会議が5~6回あれば十分かと思います。

架空のプロジェクトの要件定義なので、設定が緩いとこもあるかと思いますが、そこは大目に見てください笑

これで大体の要件定義のイメージは掴めたかと思います。

要件定義 まとめ

ここまで、要件定義の内容について見ていきましたが、まとめとして、

  • クライアントと制作する内容について、しっかり認識合わせをすることが大事。
  • 難しい仕様や、前例のない開発はクライアントに事前に伝えておく。(開発段階で予期せぬ事態が起こり得ることをクライアントにも認識してもらいます。)
  • 納品までのスケジュールを管理し、納期に余裕をもって間に合うように段取りを組む。
  • 機能のブラッシュアップをし、デザインと設計を確定させる。
  • SEと設計イメージをちゃんと共有しておく(ディレクター、SE間での認識違いも回避する。)

以上の意識をもって、やるべきことに取り組んでいけば、大きな問題に発展することはないかと思います。

特に大事なのは、設計と納期の部分です。ウォーターフォール開発の場合、設計で食い違いがあったまま開発に進むと、仕様の食い違いを解決するのに、後戻りするのが大変です。余計なスケジュール、工数がかかり、負担が増えます。

あとは、納期。約束の納期から遅れそうな場合は分かった段階で速やかにクライアントに伝えましょう。大幅な納期遅れや、ECなど売り上げに直結するものは損害賠償が発生する場合も考えられます。
思った以上にシビアに考えておいたほうがいいです。

要件定義の段階から、スケジュールは余裕をもって引いておきましょう!

おわり

今回は、ウォーターフォールにおける要件定義について解説していきました。

WEBLOMでは、Wordpressでのホームページ制作といった小規模案件から、オリジナルCRM開発といった大規模案件まで幅広く対応が可能です。

ぜひ、お気軽にご相談ください。