ECサイトを作成するとき、Shopify、BASE、EC-CUBEなど、様々なプラットフォームが存在するので、いまいち選び方が分かりませんよね。
今回は、流行りのECプラットフォームをそれぞれ解説していきます。
社内でEC事業を担当することになった方や、個人でEC副業をしてみたい方はぜひ。
Shopify:世界標準のECプラットフォーム
最近、流行りのShopifyです。2017年ごろに、カナダから日本に上陸し、勢力を伸ばしています。
私も実際に管理画面を使用して、模擬サイトを作った経験がありますが、簡単です。
値段も手頃で、ベーシックで月/3,650円からです。
また、Wordpressのプラグインみたいな感じで、shopify専用の便利なアプリをダウンロードすることで機能を追加できます。
発注書の自動作成だったり、多彩な便利機能を搭載することが可能です。無料のものから有料のものまであります。
個人の副業から、企業の自社ECまでShopifyで対応できます。
さらに、決済にShopifyペイメントを利用することで、取引手数料と入金手数料が無料になるため、お得に使えます。
Shopifyは商品ジャンルに縛られることなく、手広く展開しているイメージです。
これからもどんどん勢いを伸ばしていくであろうECサイトの代表格ですね!
BASE :小規模ビジネス向けの無料サービス
2012年からサービスを開始して、最近はよくCMも流れているのでご存知の方も多いと思います。
「ネットでお店を開くなら~♪BASE!」って、耳に残りますよね。
BASEの1番の強みは、個人的にはその敷居の低さです。
ショップの開設が無料でできるのが、その手頃さを加速させてます。
他のサービスは商品が売れる売れないに関わらず、月額等で費用が発生しますが、BASEの場合は売れた商品に対しての手数料がかかるだけなので、ユーザーがリスクを取らなくていいです。
無料なのに決済手段も豊富なので、簡単なECサイトを作りたいなら、とても良いプラットフォームだと思います。
CMでもお馴染み、スマホアプリでも簡単に操作ができるので、特に若い方のニーズが高いようです。
Shopifyと同じように、アプリを入れることで機能拡張も容易なのも便利です。
BASEの場合、聞くところによると、古着販売等が多いみたいです。
おそらく、バリエーション管理が少ない中古品やオーダーメイド商品などが向いているのもしれませんね。
ただ、ECサイトとして十分な機能を持っているので商品ジャンルに縛られることはなさそうです。
EC-CUBE:国内シェアNo.1のオープンソース
2006年公開のECプラットフォームです。基本機能からカスタマイズ性も抜群です。
技術力が必要ですが、カスタマイズ性の高い無料のオープンソースCMSです。国産のEC版Wordpressだとイメージすれば分かりやすいです。
日本発かつ、EC-CUBE利用者のコミュニティが充実しているので、問題解決が容易なのもありがたいです。
コミュニティが充実しているのもそうですし、公開から年数が経過し、ノウハウが蓄積されているのも、安心して使えるポイントです。
ただ、EC-CUBEは自前でサーバーを用意する必要がありますので、サーバーの費用が別途かかります。
レンタルサーバーレベルのスペックで十分動きますが、ECは売り上げに直結するビジネスモデルなので、不具合は極力避けたいところ。
セキュリティに関しても、大切なお客様の個人情報や決済情報を取り扱うことになるので、スペックの高いサーバーを使いたいですね。
EC-CUBEは構築にある程度の技術が必要なので、ECCUBEでサイトを構築するなら、専門の制作会社にお願いした方がいいです。自社でエンジニア抱えていれば自社でも可能です。
将来的に、業務システムとの連携を考えている場合は、EC-CUBEのようなオープンソースCMSを選ぶと良いかもしれません。
フルスクラッチでECサイト構築
上記のプラットフォームで自社の販売方法を実現できない、もしくは思い通りのシステムが作れない場合があります。
例えば、シャツの販売で刺繍の要望など、ユーザーにWEB上で見積もりをカスタマイズさせるようなことは、スクラッチで開発した方が実現性が高いです。
ネックは、金額が高いこと、サーバーを自前で持つことです。
金額はピンキリですが、500万〜2,000万以上かかってしまう場合もあります。期間も半年~1年近くかかるものもあります。
高額になってしまう理由ですが、ECを1から作ると、商品、受注、発注管理、在庫管理、他サービスとの連携、検索機能やバリエーション管理、刺繍などの独自のシステムを作り込むことになるので、期間も金額もかかります。
企業の事業計画として、他にはない完全オリジナルのECを作りたいなら、スクラッチでのゼロイチ開発をオススメします。
比較表
項目 | Shopify | BASE | EC-CUBE | スクラッチ開発 |
---|---|---|---|---|
初期コスト | 低い(無料トライアルあり) | 無料 | 無料(サーバー費用など別途) | 高い |
月額費用 | プランにより異なる(約3,000円~) | 無料(手数料あり) | 無料(有料プラグインあり) | なし(保守費用が発生) |
手数料 | 取引手数料あり | 決済手数料が高め(約6.6%+40円) | 決済代行サービスによる | なし(決済システム導入次第) |
カスタマイズ性 | 中程度 | 低い | 高い | 非常に高い |
拡張性 | 高い(アプリ・プラグインが豊富) | 低い | 高い | 最高 |
運用の簡単さ | 簡単 | 非常に簡単 | やや難しい | 難しい |
技術的知識の必要性 | ほとんど不要 | 不要 | 必要 | 高度な知識が必要 |
デザインテンプレート | 豊富 | シンプルなテンプレートが多数 | 多いが一部有料 | 自由に設計可能 |
セキュリティ管理 | Shopifyが管理 | BASEが管理 | 自己管理 | 自己管理 |
決済方法 | 多様な決済方法に対応 | BASEかんたん決済 | 自由に導入可能 | 自由に導入可能 |
対象ビジネス規模 | 中~大規模 | 小規模 | 中~大規模 | 大規模・特殊要件 |
多言語対応 | 可能 | 難しい | プラグインで対応可能 | 開発次第 |
サポート体制 | 充実(公式サポートあり) | 公式サポートあり | コミュニティサポートが中心 | 自社開発チームや外部サポート |
ECサイトの選び方 まとめ
個人でECを考えている方
- Shopify or BASE でリスクは最小限にしましょう。
- いずれにしても、自分でサーバーを持たないプラットフォームを活用したほうが無難
法人でECを考えている方
- 事業の規模に合わせて、柔軟に選択しましょう。小規模(ShopifyやBASE)から初めて、EC-CUBEに移行するのも手。
まずは、小規模でテスト的に運用したい。業務システムとの連携も考えていない場合
- この場合は、Shopify or BASEです。
- 見込みがたったら、自社サーバー立てて本格運用もよく考えられる流れです。
本格的に事業としてEC運用したい場合
この場合は、EC-CUBEのようなオープンソースCMSを利用して、自社サーバーで運用することをお勧めします。
その際、EC-CUBEの制作会社と、サーバの保守会社も探す必要があります。
法人としてのオリジナリティ、独自機能を重視したい場合
機能要件にもよりますが、これは1から作るしかありません。見積もりカスタマイズや刺繍などの独自機能を組み込み、なおかつ業務システムとの連携も図るような場合は、EC-CUBEでも難しい場合があります。
制作会社とよく話合って、利用するサービスは見極めましょう。
おわり
今回は、Shopify、BASE、EC-CUBE、フルスクラッチ開発の違いについて解説していきました。
それぞれのプラットフォームに特徴があり、どれを選ぶか迷ってしまいますが、本質的な物を売るということは変わりませんので、自分はこれがいいと思ったものを使うのがよろしいかと思います。
どうしても実現できそうにない機能カスタマイズが場合は、商用CMSでのゼロイチ開発も念頭に置く必要があるかもしれませんね。
ECの知識は、WEB制作のディレクターであれば、必須の知識になってきますので、WEBディレクターをこれかた目指す方も、すでにWEBディレクターの方も参考にしていただければ幸いです。
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