今回は、Retention Life Cycleについて解説します。
最近よく耳にする「リテンション分析」をより分かりやすいモデルにした指標です。
リテンション分析とは
まず、リテンションって何でしょう?リテンション(Retention)は「保持」という意味です。
ビジネスの世界では、「お客さんがどれだけ長くその商品やサービスを使い続けてくれるか」を表します。
つまり、リテンション分析とは、「お客さんがどれだけリピーターになってくれるかを分析すること」です。
これまでのプロダクトグロースは、集客が第一優先でしたが、昨今は集客だけできてもサービスを継続することが困難になってきています。
サービスが世の中にあふれかえり、どの市場もライバルが増えてきていることだったり、ユーザー側がリテラシーを獲得することで、自分にあったサービスを選択できるようになってきていることが起因します。最近のマーケティング意識としては、集客で人を集めていっても、離脱されてしまうとサービスは継続できないということですね。
平たく言うと、「時代の流れ」です。
そこで最近叫ばれているのが「リテンション分析」です。どれだけユーザーに長くサービスを使ってもらえるかが重要な指標として台頭してきました。
そのリテンション分析を分かりやすい指標にしたのが、リテンションライフサイクルです。
リテンションライフサイクルとは
それでは、リテンションライフサイクルについて解説します。
リテンションライフサイクルとは、お客さんがサービスや商品を利用し始めてから、そのサービスや商品を使い続けるまでの一連の過程のことです。
簡単に言えば、お客さんがどうやってその商品やサービスに興味を持ち、利用し続けるようになるかの流れです。
このライフサイクルは、通常いくつかのユーザー属性(フェーズともいう)に分かれています。それぞれのユーザー属性で、お客さんのニーズや行動は変わるので、それに応じた対応が必要です。
以下4つのユーザー属性を基本に、指標を作成します。
新規ユーザー
初めてサービスを使ってくれたユーザーのことです。集客の施策結果につながる指標ですが、リテンション分析でも利用します。
現行ユーザー
サービスを継続して利用してくれているユーザーのことです。集客できたユーザーがどれくらい定着しているのかを計るのに利用します。
パワーユーザー
サービスを気に入ってくれているヘビロテユーザーのことです。増やすべき指標として、活用します。売り上げやコンバージョンに直結する場合、KPIとしても機能します。
※商品購入数や月間アクセス数など、戦略によって定義が変わります。自社サービスに合わせたパワーユーザーの定義をしましょう。
休眠ユーザー
一定期間利用後、使わなくなってしまったユーザーのことです。
再起ユーザー
休眠ユーザーの状態から、再度使い始めたユーザーです。離脱率と合わせてKPIとすることもできます。
上記5属性が分析軸となります。
関係図は以下の通りです。
表形式にすると、以下のようなイメージ(数字は例です。)
2024/1 | 2024/2 | 2024/3 | |
新規ユーザー | 100 | 88 | 102 |
現行ユーザー | 1000 | 1025 | 1050 |
パワーユーザー | 10 | 11 | 13 |
休眠ユーザー | 50 | 55 | 56 |
再起ユーザー | 2 | 8 | 4 |
- それぞれのユーザー属性がどんな数値変化をしているか
- 前月の新規ユーザーのうち、どれくらいのユーザーが定着しているのか、離脱しているのか
- 再起ユーザーは増やせているか
こんなイメージで数値を追っていくと、次にすべき行動が見えてきます。
以下のようなイメージです。
- ユーザーの定着数が3か月で50人、離脱数は240人となっているため、定着に課題があるかもしれない。新規ユーザーがどの画面で離脱することが多いか、最後にどの機能を使っているかなどを分析し、離脱理由を考える。
- 再起ユーザーが増えた理由と増えなかった理由を考える。2月と3月で実施した施策にどんな差異があったかを見直す。営業活動やカスタマーサービスなど幅広く見直す。
最後に
リテンションライフサイクルを解説しました。これからもどんどん重要な指標になってくると思いますので、認識しておいて損はない情報だと思います。
少しでも興味をもっていただけたら、自分の業務やKPIと照らし合わせて、リテンションライフサイクルを実施してみると面白いかもしれませんね。
以上
もっとデータ分析の知識を身に着けたい!という方は、スクールに通ったり読書をすると、もっと専門的な知識を学べるかもしれませんね。
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