2025年6月、イランとイスラエル間の緊張が激化し、一部報道では事実上の交戦状態に突入したとも言われています。
中東情勢が不安定化する中で、日本経済にも無視できない影響が出始めています。本記事では、特に日本の生活や家計に直結する「住宅ローン」と「ガソリン価格」への影響を中心に、今後の見通しを解説します。
原油・エネルギー価格の上昇リスク
イランとイスラエルの対立が深刻化する中で、世界的に原油価格が高騰しています。特に中東の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の安全性が脅かされており、ブレント原油やWTI原油の価格は一時的に10%以上上昇しました。
この影響は、日本のLNG(液化天然ガス)やガソリン価格にも波及しており、野村総合研究所の試算では、情勢がさらに悪化した場合、日本のGDPが最大で0.6%押し下げられる可能性があるとされています。
株式市場・為替への影響
東京株式市場では投資家のリスク回避姿勢が強まり、日経平均株価は一時600円以上下落。特に半導体関連株や輸出関連株が売られる一方、防衛関連やエネルギー株に資金が流れました。
また、為替市場では地政学的リスクからドル安・円高傾向が進み、円は一時1ドル=142円台まで上昇しました。
住宅ローンへの影響
今のところ直接的影響は限定的
日本では変動金利型住宅ローンが主流ですが、日銀の政策金利が当面据え置かれると見られているため、短期的には大きな影響はありません。
中長期的には金利上昇の可能性も
ただし、原油高によるインフレが続いた場合、日銀が政策金利の引き上げに踏み切る可能性があります。特に固定金利型ローン(フラット35など)を検討中の方は、長期金利の動向に注意が必要です。
ガソリン価格への影響
現在の価格動向
2025年6月時点で、レギュラーガソリンの全国平均価格は177〜180円/Lまで上昇しています。地方によっては200円近い価格も見られるようになっています。
今後の見通し
政府は「燃料油価格激変緩和措置」により価格抑制を試みていますが、原油が90ドル以上に定着すると補助の限界も見えてくるため、さらなる値上がりの可能性も否定できません。
生活者・消費者ができる対策
分野 | 対策例 |
---|---|
住宅ローン | 固定金利検討中の方は早めの契約・金利確認を |
ガソリン | 安価な給油所の活用、燃費改善、カーシェアなど |
まとめ
現在のイラン・イスラエル情勢は、日本経済にもさまざまな影響を及ぼし始めています。特に原油価格の高騰はガソリンや電気代、住宅ローン金利に間接的な影響を与える可能性があり、注意が必要です。
今後も情勢の推移とともに、家計への影響を冷静に見極めて対応することが求められます。