2025年6月、イランとイスラエルの対立が激化する中、イラン議会がホルムズ海峡の封鎖を承認したというニュースが世界を駆け巡りました。封鎖はまだ実施されていませんが、もし現実となった場合、日本への影響は計り知れません。
この記事では、ホルムズ海峡が閉鎖された場合に起こり得る日本への具体的な影響を、わかりやすく解説します。
ホルムズ海峡とは?なぜ重要なのか
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾をつなぐ全長約50kmの狭い海峡。ここを通って、
- 世界の原油の約20%
- 日本の原油輸入の約8割
が運ばれています。
つまり、ここが止まれば、世界中のエネルギー供給が滞るのです。
イランによる封鎖の可能性とその背景
イランは、イスラエルおよび米国との対立激化により、ホルムズ海峡の封鎖を外交カードとして利用し始めています。
2025年6月22日には、イラン議会が封鎖を承認しましたが、実際の封鎖には最高安全保障評議会の決定が必要です。
とはいえ、情勢は非常に不安定で、封鎖が現実になる可能性も否定できません。
日本に与える影響まとめ
原油供給の減少と価格高騰
日本は中東からの石油輸入に大きく依存しており、ホルムズ海峡が封鎖されれば、原油の安定供給が困難になります。結果として、
- ガソリン
- 灯油
- 軽油
- 火力発電用燃料
の価格が急騰する恐れがあります。
電気・ガス代の上昇
原油価格の上昇は、電力会社やガス会社の仕入れコストを押し上げます。すでに電気代が高騰している家庭にとっては、さらなる痛手となるでしょう。
物流・製造業への打撃
トラック輸送や工場の燃料コストが上がることで、物流業や製造業にも深刻な影響が出ます。これにより、
- 商品価格の値上げ
- 企業収益の悪化
- 消費者の購買意欲の低下
が連鎖的に起こる可能性があります。
経済全体への波及
インフレ懸念、貿易赤字の拡大、円安の進行などが重なり、日本経済は景気後退に直面するリスクがあります。
政府や企業の対応策
日本政府は約200日分の国家備蓄石油を保有していますが、それだけで価格高騰を防ぐのは困難です。加えて、
- 他国からの代替輸入
- 国際機関との協調(IEAによる緊急放出など)
などが必要になります。
企業レベルでも、BCP(事業継続計画)の見直しが求められています。
まとめ:日本にとっては“対岸の火事”ではない
ホルムズ海峡の封鎖は、日本の生活や経済を直撃する重大な地政学リスクです。現時点では封鎖は実施されていないものの、今後の展開によっては、以下のような影響が出る可能性があります。
分野 | 影響内容 |
---|---|
エネルギー | 原油・ガス供給ストップ、価格高騰 |
生活 | ガソリン・灯油・電気代の値上げ |
経済 | 製造業・物流・消費に打撃、インフレ加速 |
政府対応 | 備蓄放出、代替輸入、外交交渉 |
ニュースの見出しだけで終わらせず、自分たちの生活とどう関わるかを考えることが、いま求められています。