ミュゼプラチナムの給与未払い問題&契約内容の過度な変更は詐欺になる?【アリシアクリニックの再来か】

法律

2025年春、美容脱毛大手「ミュゼプラチナム」が直面している給与未払い問題が大きな社会問題となっています。かつての「アリシアクリニック問題」を彷彿とさせる混乱が、全国の従業員や利用者に深刻な影響を与えています。

本記事では、ミュゼの給与未払い問題の経緯と現状、アリシアクリニックとの共通点、今後の展開についてわかりやすく解説します。

アリシアクリニックで起きた問題はこちら


ミュゼプラチナムで何が起きているのか?

給与未払いの実態

  • 2024年11月頃から給与の支払い遅延が発生
  • 2025年1月・2月分の給与が未払いに
  • 影響を受けた従業員は約2,500人
  • 一部には給与の半額しか支払われていないケースも

従業員の生活はもちろん、現場での運営にも深刻な影響が出始め、SNSでも悲鳴が広がっています。

年末までに滞納中の給与15億円分を支払うとの表明がありましたが、おそらく難しいでしょう。手元にお金がなく、銀行からの融資も期待できない状況だろうと察します。※個人の見解

全店舗が一時休業に

2025年3月、ミュゼは全国の店舗を一時休業と発表。会社側は「経営体制の見直しによるもの」と説明していますが、実際には旧経営陣による社会保険料未納銀行口座の差し押さえなど、深刻な財務問題が背景にあるとされています。


アリシアクリニック問題との共通点

ミュゼの混乱は、かつて話題になったアリシアクリニックの給与遅延・混乱問題とよく似ています。以下のような共通点が見られます。

比較項目ミュゼプラチナムアリシアクリニック
給与未払い2ヶ月以上・全従業員一部で遅延あり
経営問題社保未納・口座差し押さえ経営交代の混乱
従業員の退職大量離職・休業看護師離職多数
顧客への影響施術ストップ・返金トラブル予約不能・返金問題

どちらも「大手企業なのにこんなことが起きるのか」という驚きと怒りが広がった点で共通しています。

前金を払ったのに施術ができなかったら、詐欺ではないかという声も上がっています。


従業員と顧客に求められる対応

従業員側のアクション

  • 労働基準監督署への相談(未払い賃金の請求)
  • 失業給付や社会保険関係の整理
  • 労働組合・弁護士など第三者の力を借りる

※給与の請求には**時効(原則2年)**があるため、早めの対応が必要です。

顧客側のアクション

  • ミュゼとの契約内容の再確認(クレジット決済の取消等)
  • 消費者センターや弁護士への相談
  • 今後の対応方針(解約・返金請求)の検討

今後の展開予想

  • 経営再建 or 事業譲渡による「新ミュゼ」の登場?
  • ブランド消滅・倒産の可能性もゼロではない
  • 従業員・顧客の集団訴訟リスク

すでに一部報道では「退職したスタッフ向けの再就職支援」や「新体制による営業再開の検討」も伝えられていますが、信頼回復は簡単ではないでしょう。


もし破産したら?返金や施術はどうなるのか

万が一、ミュゼプラチナムが正式に破産申請を行った場合、未施術分のチケットや支払い済みの料金がどうなるのかが気になるところです。

まず押さえておきたいのは、破産=自動的に詐欺ではないという点です。企業が経営難により破産手続きを行うことは合法的な選択肢であり、それ自体が不正ではありません。しかし、問題はその過程において顧客への誠実な対応がされていたかどうかです。

返金はどうなる?

破産手続きに入ると、会社の資産は「破産管財人」の管理下に置かれ、債権者(お金を返してほしい人)に対して公平に分配されます。このとき、顧客が支払った料金の未施術分は「一般債権」として扱われる可能性が高く、全額が返金されるとは限りません

⚠ 返金額は資産状況次第で、ごく一部のみ戻るケースも少なくありません。

また、クレジットカードで支払っていた場合には、カード会社に**チャージバック(支払い取消)**を申請できる可能性もあります。


施術はどうなる?

当然ながら、会社が破産した場合、すべての施術は中断されます。
ミュゼのようなサロン型ビジネスでは、前払いで長期間のコース契約を結んでいる顧客も多く、事実上「お金を払ったのに何も受けられない」状態となることが予想されます。


詐欺になるの?

破産そのものは違法ではありませんが、もし会社側が明らかに経営破綻を認識したうえで契約を取り続けていた場合などには、刑法上の詐欺罪が問われる可能性も出てきます。

ただし、それを立証するのは非常にハードルが高く、現実的には「民事上のトラブル(返金請求)」として処理されることがほとんどです。


被害に遭ったと感じたら

  • 消費生活センター国民生活センターへの相談
  • 破産手続き開始後は、債権者として申請
  • 支払い方法がクレジットカードならカード会社に問い合わせ

法的対応が必要な場合は、法テラス(無料法律相談)などの支援機関も活用しましょう。


このように、仮に破産となった場合、返金や救済が非常に限定的になってしまう恐れがあります。今のうちから契約書や支払い記録を手元に残しておき、早めの情報収集と対応が重要です。

契約と明らかに違う内容になっていたら詐欺?施術が受けられない場合の法的な見方

こうした状況から、「契約したはずのコース通りに施術が受けられない」「そもそも予約が取れない」「近隣の店舗が閉鎖されて通えない」など、ミュゼプラチナムに関する不満が多く見られます。

「これって詐欺なのでは?」と感じる人も少なくないでしょう。実際に、契約内容と実態があまりにもかけ離れている場合、法的に問題になる可能性があります。

サービス内容の変更=すぐに詐欺ではない

まず前提として、企業がサービス内容を変更すること自体は違法ではありません。たとえば、営業時間や店舗数を調整することは経営上よくある判断です。

そのため、「通える店舗が少なくなった」「予約が取りづらくなった」だけでは、ただちに詐欺と認定されることはありません。多くの場合、これは民事上の契約不履行として扱われます。

詐欺の可能性があるケースとは?

しかしながら、企業側が以下のような状況で契約を取っていたことが明らかになった場合は、詐欺罪(刑法246条)として刑事事件に発展する可能性もあります。

詐欺と認定され得る例

  • 実際には店舗やスタッフが大幅に減少しており、サービス提供が困難だと知っていながら勧誘・契約を続けていた
  • 通える店舗がほとんどない地域にも関わらず、「問題なく通える」と説明していた
  • 返金や代替措置を用意せず、一方的に契約内容を変更していた
  • 破綻寸前にも関わらず、新規契約だけを優先的に集めていた

このように、顧客を「誤解させてお金を払わせた」意図が見えれば、民事ではなく刑事事件として立件される可能性も出てきます。

まとめ

ミュゼプラチナムの給与未払い問題は、美容業界だけでなく、雇用のあり方や企業の信頼性にも関わる重大な事件です。かつてのアリシアクリニック同様、多くの人に影響を与える可能性があるため、引き続き注視していく必要があります。

被害を受けた方々が、正当な補償や支援を受けられることを願うとともに、同じような問題が再発しない仕組み作りが求められています。


※この記事は2025年4月時点の情報をもとに執筆しています。今後の進展により内容が変更される可能性があります。

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