ドラッグストア大手「ウエルシアホールディングス(以下、ウエルシア)」が、2025年11月27日をもって東京証券取引所から上場廃止となります。
このニュースを聞いて、「え、株が紙切れになるの?」と不安になった方も多いかもしれません。
結論から言うと、慌てて売る必要はありません。
ウエルシアはツルハホールディングス(ツルハHD)と経営統合する形で上場廃止となり、株式は自動的にツルハHD株へと交換されます。
この記事では、今後のスケジュールや配当の扱い、一般投資家が取るべき行動をわかりやすく解説します。
上場廃止の背景とスケジュール
ウエルシアの上場廃止は「経営統合」の一環です。
ツルハHDと株式交換によって一体化し、ウエルシアはツルハの完全子会社となります。
日付 | 内容 |
---|---|
2025年11月26日 | ウエルシア株の最終売買日(この日まで市場で売買可能) |
2025年11月27日 | 上場廃止(市場で取引できなくなる) |
2025年12月1日 | 株式交換の効力発生日(ツルハHD株に自動交換) |
株式交換比率は、ウエルシア1株につきツルハHD1.15株(予定)です。
つまり、ウエルシア100株を保有していると、ツルハ株115株が付与されます。
ウエルシア株主の選択肢
11月26日までに売却する
上場廃止前に市場で売却し、現金化する方法です。
メリット
- 株価変動リスクを回避できる
- 税金計算がシンプル
デメリット
- 株式交換後のツルハ株上昇分を逃す可能性
短期的に利益確定したい人や、ツルハ株を保有する予定がない人はこの選択が適しています。
株式交換まで保有する
上場廃止後、自動的にツルハHD株に交換されます。
この場合、手続きは不要です。
メリット
- 長期的な成長(統合によるシナジー効果)を期待できる
- ツルハHD株は引き続き上場しているため流動性がある
デメリット
- 一時的に売買ができない期間が発生
- 端株(100株未満)が生じる場合がある
端株が発生した場合は、証券会社を通じて買取請求または買い増し対応が可能です。
配当はどうなる?
配当も気になるところです。
ここが今回のポイントの一つです。
- 2025年11月まで はウエルシアとして配当が支払われます。
- 2025年12月以降 はツルハHDの配当方針に基づいて配当が支払われます。
つまり、ウエルシア株主は2025年12月1日以降、ツルハ株主として登録される形になります。
ツルハHDの配当方針
ツルハHDは「安定配当・連続増配」を掲げており、過去10年以上にわたり増配を続けています。
年度 | 1株あたり配当金 | 備考 |
---|---|---|
2021年度 | 164円 | 増配 |
2022年度 | 172円 | 増配 |
2023年度 | 180円 | 増配 |
2024年度 | 190円 | 増配予定 |
ウエルシアの配当利回りが約1.3〜1.6%だったのに対し、ツルハHDは約1.8〜2.0%前後(株価水準による)とやや高めです。
そのため、統合後に配当が減る心配はほとんどないと見てよいでしょう。
税金の扱い
株式交換による自動移転では、原則として課税されません(譲渡所得は発生しない)。
ただし、端株分が現金で清算される場合、その分だけは課税対象となる点に注意が必要です。
投資スタンス別おすすめ対応
投資方針 | おすすめ対応 |
---|---|
短期利益を確定したい | 11月26日までに売却 |
中長期でドラッグストア業界の成長に期待 | 株式交換まで保有 |
配当重視・安定志向 | 株式交換でツルハ株を受け取り継続保有 |
まとめ:慌てず、自分の投資スタイルで判断を
ウエルシアの上場廃止は「経営統合による再編」であり、「倒産」や「強制償却」ではありません。
株式はツルハHD株へと自動的に引き継がれ、ツルハの成長とともに配当を受け取り続けることが可能です。
💡 まとめると…
- 11月26日までは自由に売買可能
- 12月1日以降はツルハ株として保有継続
- 配当はツルハHD基準で支払われる(増配傾向)
「現金化したいなら売却」「長期保有ならそのまま待つ」
――このシンプルな判断で問題ありません。
※投資はあくまで自己判断で