半導体フォトマスク大手「テクセンドフォトマスク」が、2025年10月16日に東証プライム市場へ上場する予定です。
今回は、気になる配当金情報と今後の見通しについて、現時点で分かっている内容をまとめます。
2024年3月期の配当実績は「1株あたり90円」
同社の目論見書(新規上場申請のための有価証券届出書)によると、
2024年3月期(第3期)において、1株あたり90円の配当が実施されたと記載されています。
ただし、同資料には以下の注意点もあります。
- 過去2期は配当なし(今回が初の配当実績)
- 2024年期の配当性向は 171.8% と高く、特別配当的な意味合いを含む可能性
- 今後の配当は「一定の配当を約束するものではない」と明記
つまり、90円という数字は過去実績として存在するものの、今後も同水準で続くとは限らない点に注意が必要です。
今後(2026年3月期)の配当見通しは「1株あたり54.39円」
IPO関連情報サイトや証券会社の分析では、
2026年3月期の1株配当予想は54円39銭 とする見方が一般的です。
仮条件価格(2,900円〜3,000円)をもとにした場合の想定配当利回りは、約1.7〜1.9%。
成熟企業ほどの高配当ではありませんが、半導体関連株としては平均的な水準です。
また、配当政策として「連結配当性向30%程度を目安とする方針」が示唆されており、
利益成長に応じて安定的な配当を目指す姿勢がうかがえます。
配当方針のまとめ(現時点)
項目 | 内容 |
---|---|
2024年3月期実績 | 1株あたり90円(配当性向171.8%) |
2025年3月期実績 | 配当なし(無配) |
2026年3月期見通し | 1株あたり54.39円(予想配当利回り1.7〜1.9%) |
配当方針 | 連結配当性向30%を目安に安定配当を目指す(予定) |
注意点とまとめ
テクセンドフォトマスクは、TOPPANホールディングス(凸版HD)傘下のフォトマスク専業メーカーとして、世界でも上位の技術力を誇ります。
その一方で、半導体市場の変動や設備投資の影響を強く受けるため、配当は業績に左右されやすい点に注意が必要です。
特に上場初年度は、研究開発・設備投資への資金が優先される傾向があるため、配当は控えめになる可能性があります。
したがって、
「安定配当狙い」よりも「中長期的な成長企業への投資」
という観点でのアプローチが現実的です。
まとめ
- 2024年3月期には1株あたり90円の配当実績
- 2026年3月期は54円前後の配当予想
- 配当方針は「連結配当性向30%を目安」
- 今後の配当継続は業績次第で変動の可能性あり
上場後の業績動向や決算発表をチェックしながら、配当の持続性を見極めていきたいところです。