2025年、SBI証券や楽天証券での不正アクセス被害が相次いで報告され、証券口座のセキュリティに対する関心が急速に高まっています。
この記事では、万が一口座が乗っ取られた場合に返金(補償)されるのか、過去の事例とともに、被害にあった方がとるべき対応をまとめます。
補償方針は明文化されていない
現時点(2025年5月)では、SBI証券・楽天証券ともに明確な補償方針を公式には発表していません。両社ともに「個別に対応する」という立場を取っており、補償の可否や範囲はケースバイケースとなっています。
過去の事例:返金されたケースとされなかったケース
返金されたケース(SBI証券・2020年)
SBI証券では2020年に発生したフィッシングによる不正送金被害で、顧客に過失がないと判断されたケースでは全額補償された事例があります。
補償されなかったケース(楽天証券・2024年)
一部報道によると、楽天証券ではフィッシング詐欺によってID・パスワードを盗まれた被害に対し、「ログイン後の操作は本人が行った可能性がある」として補償を断られたケースもあるとされています。
被害にあったサラリーマンがとるべき対応
証券口座が乗っ取られた疑いがある場合、迅速な対応が返金の可能性を高めます。
すぐに証券会社に連絡する
- コールセンターまたは緊急窓口に連絡し、ログイン履歴や取引履歴の確認を依頼
- できれば証拠(メール、SMS、ブラウザ履歴など)を保存
金融庁・証券等監視委員会への相談も検討
- 証券会社の対応に納得がいかない場合は、金融庁や消費者センターに相談
被害届の提出
- 警察に被害届を出すことで、補償を受ける際の根拠になることがあります
同様のパスワードを使っている他のサービスの変更
- 被害の拡大を防ぐため、他の金融機関・ネットサービスも即時対応
日頃からできる自衛策
補償の有無にかかわらず、以下のような対策でそもそも被害に遭わないようにすることが最も重要です。
二要素認証の設定
- 楽天証券の「あんしんログイン」などを有効化
- SBI証券でも、SMS認証やアプリ認証を有効にする
パスワードの管理と変更
- パスワードを定期的に変更し、使い回しは避ける
- パスワード管理アプリの使用も推奨
メール・SMSのリンクを安易に開かない
- 「楽天証券です」「SBI証券からのお知らせ」などを装った偽サイトに注意
- URLの正当性を確認してからアクセス →公式HPと違うなら開かない
まとめ
証券会社の口座乗っ取り被害に対して、明確な補償方針がない以上、被害の有無にかかわらず自己防衛が必須です。被害にあった場合には、迅速な通報と証拠の保存が鍵となります。
投資家の皆さんも、今一度セキュリティ設定を見直し、もしもの時に備えておきましょう。