楽天カードが新たな成長戦略として B2B(企業間取引)決済市場 への進出を発表しました。
この市場は日本国内で 1,100兆円規模 にも及ぶ巨大マーケットであり、楽天カードはここに参入することで 年間営業利益1,000億円の達成 を目指します。
消費者向けのクレジットカード市場で圧倒的な成長を遂げた楽天カードが、なぜ今B2B決済に注目するのか? その背景や戦略、今後の展望について詳しく解説します。
楽天カードの成長戦略 – B2B市場への参入
楽天カードは2024年の営業利益を 621億円 としており、これを 1,000億円へ倍増 させるために新たな収益源を模索しています。現在、個人向けクレジットカード事業はすでに成熟しており、大幅な成長が見込みにくい状況です。
そこで注目されたのが B2B決済市場 です。日本のB2B取引市場は 約1,100兆円 にも達しますが、クレジットカード決済の利用率はまだ 10兆円未満 にとどまっています。つまり、B2B決済の分野では 圧倒的にクレジットカードが使われていない という現状があります。
楽天カードは、この 未開拓の市場(ブルーオーシャン) に早期参入し、新たなビジネスチャンスを狙っているのです。
B2B決済市場の魅力 – なぜ今クレジットカード?
B2B取引では、従来「銀行振込」や「請求書払い(後払い)」が主流でした。しかし、近年 キャッシュレス化の進展 や デジタル決済の利便性向上 により、企業間取引でもクレジットカード決済を導入する動きが活発化しています。
B2B決済市場の魅力は以下の3点に集約されます。
未開拓の巨大市場
日本のB2B取引市場は 1,100兆円規模 ですが、そのうち クレジットカード決済が使われているのはわずか1%以下。この市場に本格参入できれば、莫大な利益が期待できます。
中小企業の資金繰りを支援
クレジットカード決済を導入すれば、取引企業は 最大60日間の支払い猶予 を確保できます。これは、資金繰りが厳しい中小企業にとって大きなメリットになります。
企業の事務負担削減
銀行振込や請求書払いでは、請求書の発行・管理、入金確認などの事務作業が発生します。クレジットカード決済を導入すれば、これらの手間を大幅に削減できるため、企業の業務効率が向上します。
楽天カードの戦略 – みずほ銀行との協業で法人カード市場を開拓
楽天カードは、B2B決済市場への進出を加速するために、 みずほフィナンシャルグループと協力 する方針を打ち出しています。
みずほ銀行は2023年に楽天カードの 14.99%の株式を取得 しており、すでに戦略的パートナーシップを形成しています。楽天カードは、みずほの法人顧客基盤を活用し、大企業向けのクレジットカードビジネスを強化する狙いです。
また、楽天市場には 数十万の中小企業が出店 しており、これらの事業者にB2B決済ソリューションを提供することで、 中小企業向けの市場 も獲得していく方針です。
楽天グループの決済事業再編 – B2B戦略の加速
楽天グループは 決済事業を楽天カードに集約 する組織再編を行い、楽天ペイメントの全株式を楽天カードに移管しました。これにより、 個人・法人問わず、決済ビジネス全体を楽天カードが担う形に なりました。
この再編の狙いは、 第三者との戦略的提携 や 資本調達の自由度向上 です。これにより、楽天カードは B2B決済市場への投資を加速 することが可能になりました。
今後の展望 – 楽天カードはB2B市場を攻略できるか?
楽天カードは、すでに消費者向けカードで成功を収めていますが、 B2B決済市場は全く異なる課題 を抱えています。
成功の鍵となるポイント
- 法人向けクレジットカードの普及率向上
- 現在、日本の法人クレジットカード利用率は低いため、楽天カードがどのように企業の利用を促進するかがポイント。
- 競合との差別化
- 三井住友カードやアメリカン・エキスプレスなど、すでに法人カード市場に参入している競合との差別化戦略が必要。
- B2B決済に特化した付帯サービス
- キャッシュバックや請求書管理機能など、法人向けの特典を充実させることで利用者の拡大を図る。
楽天カードが B2B決済市場でシェアを獲得できれば、1,000億円の営業利益達成も現実的 になります。今後の動向に注目です。
まとめ
- 楽天カードはB2B決済市場に参入し、1,000億円の営業利益を目指す
- 日本のB2B市場は1,100兆円規模だが、クレジットカード決済の利用はまだ1%未満
- みずほフィナンシャルグループとの協業により法人カード市場を開拓
- 決済事業の再編を行い、楽天カードがB2B決済の中核を担う
- B2B決済市場の攻略が成功すれば、楽天カードの成長はさらに加速する可能性がある
楽天カードがB2B決済市場でどのような戦略を展開し、競合とどう差別化を図るのか。今後の展開を引き続き追っていきたいと思います。