ニデック 不正会計の余波広がる。特別注意銘柄に指定され上場廃止待ったナシか?株主の取るべき行動とは?

経営・経済

精密モーター世界最大手・ニデック(旧 日本電産)で発覚した不正会計問題が、ついに重大局面を迎えています。
2025年10月28日付で、東京証券取引所は同社株を「特別注意銘柄(特注)」に指定

市場では「上場廃止も視野に入った」との見方が急速に広がっています。

本記事では、特注指定の意味と今後のリスク、そして株主が取るべき現実的な行動について解説します。


ニデックで発覚した不正会計 ― 海外子会社での不適切処理

ニデックは2025年10月、海外子会社で売上の前倒し計上など不適切な会計処理が行われていたことを公表しました。
監査法人は2025年3月期の有価証券報告書に対し「意見不表明」を付し、実質的に決算の信頼性が担保されていない状態です。

このため東証は「投資家保護の観点から特別注意銘柄に指定」する判断を下しました。
なお、特注指定は上場廃止の一歩手前とも言える措置であり、改善報告が不十分な場合、上場廃止審査に移行します。


特別注意銘柄とは? ― “最後の警告”の意味

「特別注意銘柄(特注)」とは、上場企業の不祥事や内部統制不備などにより、上場維持に問題があると判断された企業に対し東証が発する“警告”です。
過去には、オリンパスや東芝もこの指定を受けたことがあります。

指定中の企業は、

  • 内部統制の改善報告書の提出
  • 監査体制の見直し
  • 第三者委員会による再発防止策の実施
    などを求められます。

期限内に改善が確認できない場合、**上場廃止(整理銘柄指定)**に移行する可能性が高まります。


株価は急落、機関投資家の撤退も

特注指定が発表されて以降、ニデック株は急速に売りが優勢となっています。
信用取引の評価損も膨らみ、出来高が急増。
一部の海外ファンドでは、指数(インデックス)構成からの除外を見越した売却も進んでいます。

かつて「永守イズム」で知られた成長企業が、今やガバナンス不信の象徴となりつつあります。


上場廃止の可能性は?

現時点で上場廃止が即決するわけではありません。
しかし、以下のような条件が揃えば、実際に廃止リスクは現実味を帯びてきます。

  • 監査法人が再び「意見不表明」または「不適正意見」を出す
  • 第三者委員会報告で意図的粉飾や組織的隠蔽が確認される
  • 改善報告書の提出が期限に間に合わない、または不十分

過去事例を見る限り、半年〜1年以内に改善策を示せない企業は廃止に至るケースが多く、ニデックにとっては正念場です。


株主の取るべき行動 ― 感情ではなく、情報で判断を

公式発表・IRを逐次チェック

ニデック公式サイトの「お知らせ」欄には、特注指定や調査進捗が更新されます。
SNSの憶測よりも、一次情報の確認を徹底しましょう。

保有目的を明確にする

  • 長期保有で信頼回復を待つのか
  • 早期の損切りでリスクを最小化するのか
    自身の投資目的によって、取るべき戦略は異なります。

信用取引・レバレッジは避ける

特注銘柄は値動きが荒く、信用規制がかかる可能性もあります。
現物での冷静な判断が望まれます。


今後のシナリオ ― 信頼回復か、退場か

ニデックは「再発防止策の策定と経営責任の明確化」を表明しています。
ただし、企業文化や統制体制の立て直しには時間と信頼の積み重ねが不可欠です。

一方、東証が特注指定を解除するためには、再監査結果の適正意見が前提となります。
ここでつまずけば、上場廃止へのカウントダウンが始まる可能性も否定できません。


まとめ

  • ニデックは不正会計問題により、2025年10月28日付で特別注意銘柄に指定
  • 指定は“上場廃止の一歩手前”にあたる重大措置
  • 株主は公式情報を注視し、焦らず冷静に判断することが重要
  • 信頼回復には時間がかかり、長期戦を覚悟する必要あり

一言まとめ

「特注」は最後通告。株主にできるのは、静観と情報の見極めだけ。


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