2025年10月24日、フィンテック企業の インフキュリオン(Infcurion) が東京証券取引所グロース市場に上場予定です。ここでは、わかりやすくポイントをまとめます。
インフキュリオンとは?
- 設立:2006年(本社:東京・千代田区)
- 代表:丸山弘毅(CEO)
- 事業内容:キャッシュレス決済や埋め込み型金融サービス(BaaS = Banking as a Service)の開発・提供
- 主な取引先:NTTドコモ、三井住友カードなど大手金融・通信企業
「企業が自社サービスに決済機能を組み込みたい」といったニーズに応える仕組みを提供している会社です。
上場スケジュール
- 仮条件決定:10月8日
- ブックビルディング(抽選申込期間):10月9日~15日
- 公開価格決定:10月16日
- 投資家の購入申込:10月17日~22日
- 上場日(初値がつく日):10月24日(金)
公募・売出株数
- 公募株(新規発行):170万株
- 売出株(既存株主の売出し):434.7万株
- オーバーアロットメント(追加売出し):90.7万株
- 合計で 600万株超 が市場に出回る予定
IPOとしてはやや大型案件です。
業績の状況
- 2023年3月期:売上58億円、赤字
- 2024年3月期:売上71億円、黒字転換(純利益 約7,400万円)
つまり、赤字続きからようやく黒字に転換したタイミングでの上場です。
配当はある?
現時点で 配当は予定されていません。
インフキュリオンはまだ成長投資の段階にあり、利益を株主に還元するよりも事業拡大やシステム投資に回す方針と見られます。配当狙いではなく、株価の成長性を重視する投資先と考えたほうが良いでしょう。
投資する上での注目ポイント
プラス材料
- キャッシュレス・フィンテック関連は今後も需要が伸びやすい分野
- 取引先に大手企業が多く、信頼性が高い
- 黒字転換して勢いに乗っている
マイナス材料
- 過去の赤字が長く、黒字がまだ安定していない
- 売出株が多く、需給(株の買いたい人と売りたい人のバランス)の面で初値が伸びにくい可能性
- 想定価格は 1,540円前後 とされており、割安感はそれほど大きくない
サラリーマン投資家へのアドバイス
- 短期狙い:話題性はあるものの、株数が多く需給的に初値高騰は限定的かもしれません。
- 中長期狙い:キャッシュレス市場の成長とともに伸びる可能性あり。ただし黒字安定化までは注意が必要です。
「大化け狙い」というよりは、堅実な成長株候補としてじっくりウォッチするのがおすすめです。
まとめ
インフキュリオンは、キャッシュレス社会の拡大に乗るフィンテック企業であり、今後の成長に期待がかかります。ただし、過去の赤字や需給面を考えると「慎重な投資判断」が必要です。
配当は当面期待できないため、成長性を重視する人向けのIPO銘柄といえるでしょう。IPOに参加するかどうかは、短期のリターンを取るか、中長期の成長に期待するかで考えてみてください。