建設関連の会社「創建エース(1757)」は、2025年9月19日をもって東証スタンダード市場から上場廃止となります。
「会社が倒産したわけではない」「株は消滅しない」といった代表の発言がありましたが、投資家としては少し注意が必要です。
ここでは、なぜ上場廃止になったのか、そして上場廃止後に気をつけたいポイントをわかりやすく整理しました。
なぜ上場廃止になったのか?
最大の理由は 「粉飾決算」 です。
調査によると、2022年3月期から2024年3月期にかけて発表された売上のうち およそ85%が実際には存在しない取引 だったことが判明しました。
つまり「黒字に見せかけていたけれど、本当は赤字だった」という内容で、投資家にとって重大な判断ミスにつながる虚偽記載です。これを受けて東京証券取引所は「市場の信頼を維持できない」と判断し、上場廃止を決めました。
粉飾決算で適用される主な法律
金融商品取引法違反
上場企業が虚偽の有価証券報告書を提出する行為は、金融商品取引法に違反します。
罰則:10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその両方(法人はさらに重い罰金)。
会社法違反
取締役が虚偽の計算書類を作成した場合、会社法の計算書類虚偽記載罪に問われることがあります。
特別背任罪(刑法)
経営者が会社に損害を与える目的で粉飾した場合、刑法の特別背任罪が成立する可能性があります。
上場廃止後、株式はどうなる?
- 倒産ではないので株は残ります
株そのものは消えませんが、証券取引所では取引できなくなります。 - 「相対取引」で個人間売買は可能
理論上はできますが、実際には買ってくれる相手を見つけるのはかなり難しいです。実質的に換金性はなくなると考えた方がよいでしょう。 - 決算発表は年4回 → 年2回に
四半期ごとの開示義務がなくなるため、経営の状況が見えにくくなります。 - 株主総会は継続
法律上の義務があるので、株主総会は今後も開かれます。
投資家が気をつけたいポイント
- 株を売れなくなるリスク
証券会社経由での売買は9月18日まで。その後は流動性がほぼゼロになります。 - 情報が少なくなるリスク
半期決算だけになるため、会社の状況を把握しにくくなります。 - 会社の信用力が大幅に低下
粉飾決算をしていた会社として見られるため、銀行や取引先との関係にも影響します。 - 「資金集め」の呼びかけに注意
代表は今後「資金集めから始める」としていますが、株主や投資家に追加の出資を求めてくる可能性もあります。新しいお金を差し出すかどうかは慎重に考えた方が良いでしょう。
まとめ
創建エースの株式は、「倒産していないから安心」ではなく、「市場で売れなくなるリスクを抱えた未上場株」になります。
- 株の流動性がなくなる
- 情報開示が減る
- 信用が失われている
- 今後の資金調達に不安がある
これらを踏まえ、今後どうするかを冷静に判断することが大切です。