未だ解決せず。スルガ銀行不正融資問題が再燃している理由とは?

経営・経済

不正融資問題の発端

スルガ銀行の不正融資問題が最初に注目を集めたのは2018年、シェアハウス投資向けの融資において、顧客の年収や資産、物件価値などを改ざんした不正が明らかになったことがきっかけでした。

同行は不動産業者と結託し、架空の融資資料をもとに融資を実行。

多くの投資家が返済不能に陥り、金融庁からは業務改善命令が出される事態となりました。

これで人生を狂わされたサラリーマン投資家も多くいたはずです。騙されて、割高かつ赤字になる想定の不動産を無理な融資で掴まされたわけです。全くもって許せない行為です。

シェアハウス問題の対応と新たな火種

その後スルガ銀行は、シェアハウス向け融資に関しては2020年に一部元本のカットや物件売却損失の銀行負担といった和解策を打ち出し、一定の解決を図りました。

しかし、問題はシェアハウスにとどまりませんでした。中古アパートやマンションなど「アパマン」向けの不正融資についても同様の不正があったとされ、約400人の被害者が「被害者同盟」を結成。

同行に対して補償と再調停を今も求めています。

なぜ今になって再燃しているのか?

スルガ銀行は2023年に「問題の大部分は解決済み」との声明を発表しましたが、被害者側はこれに強く反発。2024年には、外部から招かれた嵯峨会長が退任し、在任中に被害者側との直接対話がなかったことが批判されています。

現在でも864件、総額1000億円を超える融資が係争中であり、被害者の多くが元利返済を停止。

これにより同行の不良債権比率は9.88%と、国内の銀行でも最悪レベルに達しています。

業務改善命令はまだ解除されていない

スルガ銀行は、2018年に金融庁から受けた業務改善命令に対して、一定の対応をしてきました。

しかし、アパマン問題への取り組みの遅れや不透明な交渉姿勢が問題視され、命令は2025年現在も解除されていません。

被害者側は株主提案という形で、業務態勢改善を定款に明記するよう要求しましたが、銀行側はこれを否決。「必要な改善にはすでに取り組んでいる」と説明しています。

業務提携先であるクレディセゾンの株主の間では、提携解除の推進も噂されているようです。

まとめ:いまだに終わらないスルガ問題

スルガ銀行の不正融資問題は、発覚から7年が経過した現在も終息の兆しが見えません。

問題の根が深く、被害者の救済と経営の健全化の両立が難しい現状にあります。再燃の背景には、銀行側の対応の遅れと、誠実な対話の不足があるといえるでしょう。

引き続き、金融庁の動きや被害者側との交渉の行方に注目が集まります。


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