なるにぃ氏クラウドファンディング問題 ゴブロー氏は「詐欺」に問われる?

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YouTuber・なるにぃ(上級騎士なるにぃ)氏が実施したゲーム開発クラウドファンディングで、約5,000万円を集めたにもかかわらず開発がほとんど進んでいないとして、大きな議論が起きています。特に、開発ディレクターだったゴブロー氏について「詐欺ではないのか」という疑念が一部で語られています。

本記事では、感情論をいったん脇に置き、日本の法律上「詐欺」と認められるためにはどのような状況が必要なのかを一般論として整理します。


詐欺は「失敗」や「無能」とは別物

まず重要なのは、

  • 開発が失敗した
  • 進捗が極端に遅れた
  • 管理ができていなかった

これらはそれ自体では詐欺にはなりません

法律上の詐欺は、結果ではなく「最初から騙す意図があったかどうか」で判断されます。


刑事上の詐欺罪が成立する4つの要件

日本の刑法において詐欺罪が成立するためには、以下の4要件がすべて満たされる必要があります。

1. 欺罔行為(だます行為)

例としては、

  • 実際には進んでいないのに「◯%完成している」と虚偽の進捗を説明する
  • 実在しない開発体制や実績をあるように見せる
  • 作る意思がないのに「必ず完成する」と断言する

などが該当します。

単なる楽観的見通しや能力不足は、原則として詐欺には当たりません。

2. 錯誤(信じ込ませたこと)

支援者がその説明を信じ、 「開発されるなら支援しよう」と判断したことが必要です。

3. 財物の交付

クラウドファンディングを通じて、実際に金銭が支払われていること。

4. 故意(最も重要)

最大のハードルがここです。

  • 最初から作る気がなかった
  • 途中で開発不能だと分かっていたのに黙って資金を集め続けた
  • 資金を私的流用する意図があった

といった故意が立証されなければ、詐欺罪は成立しません。


「詐欺が認められやすくなる」具体的な状況

次のような証拠が複数そろうと、詐欺として認定される可能性が高まります。

  • 実際にはコードや設計がほぼ存在しないのに、意図的に虚偽の進捗報告をしていた
  • 「もう無理だが、言うと炎上する」など、開発不能を認識していた内部のやり取り
  • 集めた資金を開発と無関係な私的用途に多額流用していた
  • 架空の外注費や人件費を計上していた
  • 同様の手口を過去にも繰り返していた

このレベルになると、 「失敗」ではなく「最初から騙す意図があった」と評価されやすくなります。


民事責任は刑事よりもハードルが低い

刑事事件としての詐欺は成立しなくても、民事責任が問われるケースは多くあります。

民事で問題になりやすいポイント

  • 説明義務違反
  • 善管注意義務違反(適切な管理をしていない)
  • 不実告知(誇大・虚偽説明)

この場合、 「詐欺とは言えないが、返金や損害賠償は妥当」という判断になることがあります。

クラウドファンディング炎上案件の多くは、 刑事では不起訴、民事で返金や和解という形に落ち着くのが現実です。


今回の件を一般論として当てはめると

仮に、

  • 進捗がほぼない
  • ディレクターが成果物を提示できない
  • プロジェクト管理が崩壊していた

という事実だけであれば、法的には「詐欺」と断定することはできません。

しかし、

  • 意図的な虚偽報告
  • 開発不能を認識した上での資金集め
  • 資金の不自然な流れ

こうした事実が明らかになれば、詐欺として認められるラインに近づくことになります。


まとめ

詐欺かどうかは「結果」ではなく「意図」で判断されます。

  • 失敗した → 詐欺ではない
  • 進まなかった → 詐欺ではない
  • 無能だった → 詐欺ではない
  • 最初から騙すつもりだった → 詐欺になり得る

クラウドファンディングは性質上リスクを伴いますが、説明責任と管理責任が極めて重要であることを、今回の件は改めて浮き彫りにしています。

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